ソールフルなスローフードのある幸せ

2019.02.27

Gourmet

壱岐に伝わる郷土料理『ひきとおし』。

今回はこのおもてなし鍋料理について紐解いてみます。

 

●素材その壱

地元で豆腐というと、縄で縛っても崩れないほど大きくてかたい『壱州豆腐』のこと。

そのおいしさの決め手は、ミネラル豊富な壱岐の潮!

これが天然のにがりとなります。

サイズや重さもさることながら、一般的な豆腐の倍近い量の大豆を使用するので、

大豆の味の濃いことといったら!

 

●素材その弐

昔はそこここの農家で見かけた『庭飼い地鶏』

しめてさばいてすぐにスープを取り、醤油や砂糖で甘めの味付け。

ここへぶつ切り鶏肉、臭みを取り滋味を加えるゴボウ、

白菜, ネギ, 椎茸など、さらには壱州豆腐を入れて煮込みます。

 

 

●素材その参

さっと下茹でした『そうめん』

そうめんは保存食なので具材として便利だったのでしょう。

ひきとおしには欠かせない名脇役といえます。

 

かつて、農家はどこでも鶏を飼っており、客人が来ると「どうぞ、どうぞ」と家の奥の座敷に通し、

鶏をさばいて鍋料理を作ってもてなしました。

壱州弁で、客を奥の座敷に通すことを“ひきとおす”と言います。

今でも、人が集まる時によく食べられている『ひきとおし』。

地産地消の食材を使った熱々鍋は、郷土料理の名にふさわしいスローフードです。

壱岐を訪れたら、ここでしか味わえない『ひきとおし』を是非。

あなた好みの『”ウチの”ひきとおし』を探してみるのも一興です。